札幌市は11日、米国から帰国した中央区在住の20代男性が新型インフルエンザに感染したと発表した。道内での感染確認は初めて。

新型インフル:北海道で初の感染確認…ハワイ帰りの男性

会見する札幌市保健所の細海伸仁・感染症総合対策課長(右)=札幌市中央区で2009年6月11日午後7時32分、
札幌市は11日、米国から帰国した中央区在住の20代男性が新型インフルエンザに感染したと発表した。道内での感染確認は初めて。男性は37.3度の熱やせきなどの症状があり市立札幌病院に入院しているが、容体は安定しているという。厚生労働省によると、12日午前1時現在、国内感染者は成田空港の検疫で見つかった10人を含め、21都道府県で計548人になった。

 市保健所によると、男性は4〜8日に本州の友人ら約10人と米ハワイ・ホノルルに滞在し、9日午後3時半、成田空港に到着。バスで羽田空港に移動して同9時5分に新千歳空港に降りた。その後、JRで札幌駅に着き、徒歩で帰宅した。10日は近所のコンビニエンスストアに立ち寄った以外は外出せず、この日からせきが出始めたという。

 男性は航空機や列車などについて「周りにあまり人はいなかった」と話しているという。市保健所はハワイで感染したとみている。

 男性は11日、ハワイに同行した友人から「別の友人の中に患者が発生した」との連絡を受け、市保健所に相談していた。男性との同居人1人に症状は出ていないが、濃厚接触者として予防的に治療薬「タミフル」を服用し、7日間の自宅待機を要請した。

 市保健所感染症総合対策課の細海伸仁課長は「男性と濃厚接触した人物が少なく、帰宅してから症状が出ていることから、現時点で第2、第3の感染者が出る可能性は低い」と話している