新型インフルエンザの患者が急増20〜40代と5歳未満はご用心

 年明けから新型インフルエンザの患者が急増していることが国立感染症研究所分析で13日、分かった。今シーズンのインフルエンザは昨年末に全国的な流行に入り、当初はA香港型の患者が多かったが、その後新型の増加が著しい。



 同研究所感染症情報センターは「新型の本格流行が始まりつつあり、昨シーズン、新型患者が少なかった20〜40代と5歳未満は要注意。今からでも予防接種を受けてほしい」と呼び掛けている。



 各地の薬局に持ち込まれたインフルエンザ治療薬処方箋からの推計によると、年明けから東京、神奈川、愛知、大阪などの都市部で患者が急増。連休明けの11日には特に増えた。都道府県などへの聞き取りでは、大半は新型という。



 センターは「大人でも急激に悪化する肺炎が起こり得る。症状が出たら早く受診してほしい」。


国立感染症研究所は7日、全国約5000医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査で、最新の1週間(昨年12月20日〜26日)の新規患者数が1医療機関当たり2・06人となり、10週連続で増加したと発表した。



 過去3週間のインフルエンザウイルスの検出状況は、新型インフルエンザが最も多く約6割を占める



 インフルエンザ患者は昨年10月中旬から増え始め、当初は季節性のA香港型ウイルスの検出が全体の6〜7割を占めていた。だが、12月に入ってから新型ウイルスが急増した。



 感染研の安井良則・感染症情報センター主任研究官は「今後、新型が流行の中心になり、1月末から2月にピークを迎えると思われる。昨シーズンは小中高校生が患者の中心だったが、今回は乳幼児や青年層にも広がる可能性がある」と注意を呼びかけている。



新型インフルエンザ は、インフルエンザウイルスのうちヒト―ヒト間の伝染能力を新たに有するようになったウイルスを病原体とするインフルエンザ感染症である。日本の法律による定義は、「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの」