原巨人、日ハム破り7年ぶり21度目の日本一MVPは阿部慎之助「最高で〜す」

巨人、7年ぶり21度目の日本一


7年ぶりの日本一を決め、胴上げされる原監督=伊藤紘二撮影 プロ野球の2009年度日本シリーズ第6戦が7日、札幌ドームで行われ、読売巨人軍が2―0で北海道日本ハムファイターズを破り、4勝2敗で7年ぶり21度目の日本一を決めた。

 最高殊勲選手には阿部慎之助捕手(30)が選ばれた。原辰徳監督(51)は2度目の日本一を手にした。

 3勝2敗で敵地に乗り込んだ巨人は二回に阿部選手の適時打で先制、六回にも小笠原道大選手(36)の安打を絡めて追加点。先発投手の負傷降板で緊急リリーフした内海哲也投手(27)が好投、終盤は継投でしのいだ。

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強さ求め若手育てた、原監督の集大成


7年ぶりの日本一に、クルーンと抱き合って喜び合う原監督=田村充撮影 「日本一、奪回しました」。札幌ドームに原監督の声が響いた。

 「(7年前は)長嶋監督が作ってくれた勢いを借りながら日本一になった。(今のチームは)ゼロかマイナスからスタートした部分もあった。巨人にとって、意義のある伝説を作れたと思う」。記者会見で晴れやかに語った。

 巨人監督に復帰した06年シーズン。貯金14で序盤に首位に立ったが、最終的に借金14で4位という屈辱を味わった。翌春の宮崎キャンプ前夜、「うまい選手はいらない。勝負に強い選手をジャイアンツは求める」と選手を前に再建を誓った。

 今季も後半戦開始の中日3連戦に負け越すと「弱いものに強いのではダメだ。強いものに対して強くなければ」。覇者の条件を欠いていると気を引き締めた。

 原監督は幼いころ、父貢さんが監督を務めた福岡県・三池工高のグラウンドが遊び場だった。65年、夏の甲子園を初出場で制覇し、炭鉱の町を歓喜一色に変えた高校生たちの横で、白球と戯れたのが原風景だ。スター街道を歩んできても、「家は貧乏だったし、両親が苦労する姿を見て育った。僕の本質はハングリーそのもの」と言い切る。

 だが、世代が離れた選手たちには、柔軟に向かい合った。東野ら若手投手を監督室に呼び、試合中につけるメモを基に、分かりやすい言葉で課題を説いた。

 今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝という大仕事を成し遂げ、立冬の日、日本一に。長い1年の集大成が、10度の胴上げで祝福された。

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最高殊勲選手は阿部
 日本シリーズ表彰選手は次の通り。


 ▽最高殊勲選手 阿部(巨人)

 ▽敢闘選手 高橋(日本ハム

 ▽優秀選手 亀井、ゴンザレス(以上巨人)小谷野(日本ハム

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長嶋さん、王さんらも祝福…巨人日本一
 長嶋茂雄・巨人終身名誉監督「粘り強さでつかんだ日本一でした。攻撃では少ないチャンスを確実にものにし、走者を出してもしっかり守り切れたのが勝因。阿部が攻守でチームを引っ張りました。選手の能力を最後まで信じた原監督のリーダーシップも光りました。パ・リーグチャンピオンを全員野球で破り、後世に誇れる真の王者になれたのではないでしょうか」


 王貞治・巨人OB会長(ソフトバンク球団会長)「6戦すべてが締まったいい試合。今年一年を通して戦ったリズムの良さが、そのまま結果として出ましたね。原監督もWBCからシリーズに至るまで、いい仕事をしてくれました。皆でつかんだ日本一。本当におめでとう」

 ヤンキース松井秀喜選手「おめでとうございます。10年間もいたチームなので、僕もうれしい。若い選手の成長は、ジャイアンツファンも望んでいたことでしょうから、本当に素晴らしいことと思います」

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巨人パレード22日に、大手町〜銀座8丁目

 巨人の日本一決定を受け、読売新聞社読売巨人軍は、東京・大手町―銀座で日本シリーズ優勝パレードを22日に行うと発表した。

 パレードは日本シリーズを制覇した時に実施され、2002年以来7年ぶり。2階建てのオープンバス3台を使い、原辰徳監督をはじめ選手、コーチの姿が沿道のファンに見られるようにする。

 午前10時15分、大手町を出発、三越前から銀座中央通りに入り、銀座8丁目まで3・1キロを約30分かけてゆっくりと進む。

 当日は午前10時から正午頃までコース周辺で交通規制が実施される。

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プロ野球日本シリーズで巨人が優勝したことを受けて、三越伊勢丹ホールディングスなどは8日以降、傘下の百貨店やスーパーで記念セールを行う。

 三越は8日から2日間、日本橋本店はじめ国内16店舗と小型店28店舗の計44店舗で「ジャイアン優勝セール」を実施。日本橋本店では、原辰徳監督の背番号「88」にちなんで、真珠のネックレスとイヤリングのセットを8万8千円で、アンゴラ混コートを8800円で扱う。伊勢丹が8日から首都圏6店舗(新宿店を除く)で開くセールでは、880円のバスタオル2枚セットや紳士革小物を用意。プランタン銀座は8日から15日まで、一部商品を除き店内商品を10%割り引く。


( 読売新聞)