美の探求者チャップリン

チヤップリンの映画は見所が一杯ですがもっとも注目すべきは美の探求という点です。美しい女優さんがいつも登場しています。チャップリン好みなのでしょう。「キッド」のエドナ・パーヴィアンス、「街の灯」のバージニア・チェリル、「独裁者」のポーレット・ゴダード、「ライム・ライト」のクレア・ブルームなど皆綺麗ですね。チャップリンの演技はどれをとっても表現力に溢れていますが、「黄金狂時代」でフォークとナイフを使い、靴を牛肉に見立てて食べるシーンが上品でとても美しいシーンです。指先の動きが特にエレガントです。「街の灯」のラストシーンで盲目の娘(バージニア・チェリル)が浮浪者(チャップリン)の手を握り締めて「あなたでしたの」と語るシーンは手の温もりと同時に心の温もりを感じた事を表現する名場面で、「第三の男」のラストシーンに勝るとも劣らない場面です。涙が溢れるのを禁じえない人情味溢れる日本風シーンです。驚き、喜び、はにかんだ表情が凝縮されたワンカットです。「ライム・ライト」では哀愁に満ちた美しいメロディ♪~が胸キュンです。チャップリンの審美眼という観点から見ると更に映画が楽しめるのではないでしょうか。風刺映画や喜劇映画としてだけではなく純粋美術映画としても楽しめる映画なのです。チャップリンは映画を通して愛と夢と希望と美しさを表現したのです。写真のチェリルの指先のバレエ的とも言える美しさを堪能してください。
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