東北で暖かい真冬が続いている。仙台管区気象台によると、1月の平均気温は平年の0.0度を上回る1.3度で、過去10年で3番目に高かった。東北上空で低気圧が発達せず、シベリアからの季節風が弱いのが影響しているという。日本海側で日照時間が増え、太平洋側で積雪が多いという厳冬期らしくない現象も起きている。異常な冬は当面続くという。

 気象台や測候所など17地点の冬の平均気温は全般的に高く、昨年12月は3.9度で、平年に比べ1.1度高かった。年明けも暖冬傾向が続いている。

 原因はオホーツク海から三陸沖にかけての上空に暖かい空気が入っているためで、低気圧が発達しにくいという。シベリアから日本海を渡る季節風も弱まり、「日本海側で雪、太平洋側は晴れ」という真冬らしい天候が現れにくくなった。

 代わりに、低気圧の通過や南からの暖かく湿った空気の流入が増えた。気象台の金浜晋統計係長は「平年なら春先の天候パターンが、真冬に起きている。日本海側は好天が増え、太平洋側は雨や雪が多い。気温が高いため、湿った雪も目立つ」と説明する。

 このため、各地で例年にない記録が見られる。酒田の1月の日照時間は平年39.9時間だが、ことしは1.6倍の65.1時間で観測史上2番目だった。白河では1月の降水量が107.5ミリで平年の3.5倍となり、記録を更新した。

 17観測点のうち、1月の平均気温が氷点下になったのは青森、盛岡、新庄だけ。平年は氷点下の青森県深浦、むつ、八戸、秋田、山形、会津若松が零度以上となった。

 積雪量にも異変がある。日本海側で平年と1月の最深積雪に最も開きがあったのは山形県庄内町の狩川で、平年の56センチに対し36センチだった。逆に、久慈は29センチで、平年の17センチを大幅に超えた。宮古も1.8倍の22センチで、この時期の三陸地方には珍しい大雪となった。

 1カ月予報によると、冬型の気圧配置は長続きしない。平均気温が高い確率は60%という。



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