トヨタは「自らのシステムが完全ではないこともありえる。」という認識に欠けていた
豊田家の御曹司である豊田章男氏の発言は、奇妙ながらも、問題をなかなか見事にまとめていた。
「Believe me, Toyota's car is safety(信じてください、トヨタの車は安全性なんです)」。日本を代表するトヨタ自動車の社長はこう訴えた。「But we will try to increase our product better(ですが、私たちの製品をもっと良いものに増やせるよう努めてまいります)」
英語がうまく話せないことを馬鹿にするのは、普通なら許されることではない。
しかし、米国でMBA(経営学修士)を取得した豊田氏に完璧な英語で謝罪する術が教え込まれていなかったという事実は、今回のリコール(回収・無償修理)危機におけるトヨタの対応のお粗末さについて実に多くを物語っている。
日本では、謝罪は生け花や俳句と同様に1つの芸術である。しかしトヨタは、2月5日に社長が持って回った表現で自らの責任を認めるまで、顧客(その70%は日本以外の国に住んでいる)の懸念に対応できていなかった。
「日本株式会社」の転落との相似
トヨタの問題がスローモーションの玉突き事故のようにひどくなっていく様子を眺めていると、1990年に日本株式会社そのものが起こした自動車事故、つまり、かつて経営学の権威たちに無敵の存在と持ち上げられた経済モデルが谷底に転落していったドラマの続編を見ているような気になる。
当時は今と同様に、市場シェアを取らねばならないという強迫観念に駆られた企業が無理な事業拡大に邁進していた。そして今は当時と同様に、日本企業の伝説的な取り組み――トヨタで言うなら「カンバン方式」や「カイゼン」――が欠点を覆い隠していた。
20年前の日本経済の背伸びと今のトヨタの苦難とを比較するのは、あまりフェアではない。日本株式会社は結局「ナンバーワン」にはなれなかった。だが、トヨタは本当に勝利を収め、ライバルの米国大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーを経営破綻に追い込んだ。
2008年には販売台数でGMを抜いて世界一になり、利益水準でも世界一の座に就いた。米国の納税者がGMやクライスラーを気前よく支えていなければ、トヨタは日本や韓国の一握りの自動車メーカーとともに、米国の大衆車市場を事実上独り占めしていたはずだ。
米国は経済の衰退に恐怖心を抱いており、それが今後、ただでさえ悪い状況を一段と悪化させるだろう。
連邦議会で今週予定されていたリコールに関する公聴会が延期されたのは、単に首都ワシントンが大雪に見舞われたためだ。トヨタが安全性の問題に気づいたのはいつか、それを隠蔽した事実はないかといったことを明らかにするための公聴会は今月中に開かれ、同社の経営幹部が質問攻めに遭うことになる。
弁護士たちは既に、数多く提起されると見られる集団訴訟の最終弁論の推敲に余念がない。この流れを決定的にしたのは、レイ・ラフード米運輸長官の次の発言だった。「問題の車種をお持ちの方々に対する私のアドバイスは、運転するのをやめることだ」。この後に続いたコメントも不穏なものだった。「トヨタに対する我々の調査はまだ終わっていない」
「反日」陰謀説もあるが・・・
今回の騒動は「反日」の陰謀だという見方がある。トヨタのライバルである米国メーカーのオーナー(つまり米国政府)には安全性の問題を誇張したい気持ちが働くというのだ。
ハイブリッド車「プリウス」の最新モデルは、大半が日本で生産されている(写真は愛知県にある堤工場)〔AFPBB News〕
大半が日本で製造・販売されているハイブリッド車「プリウス」の最新モデルのリコールにトヨタが踏み切らざるを得なくなったことで、この陰謀論の説得力は弱まったが、それでも自動車業界の専門家たちはトヨタ叩きの激しさに困惑している。
「使われる言葉に込められた毒の強さには、本当に驚いている」。HISグローバル・インサイトの自動車業界アナリスト、ポール・ニュートン氏はこう語る。
「トヨタが2008年に販売台数でGMを抜いたことや、純粋な米国企業を痛めつけていると見られていることが影響しているような気がする。トヨタに一発お見舞いするチャンスだというわけだ」
トヨタは米国内の工場で3万4000人を雇用しており、自分たちを米国企業として描き出すことにかなり成功していた。しかし景気が落ち込んでいる時には、日出る国の企業が星条旗をまとうためにできることは限られる。
今回の騒動の大半は、トヨタが自ら招いたことは否定できない。確かにリコールは珍しいことではないが、アクセルとブレーキに欠陥がある自動車をトヨタが出荷していたという事実は、どこかに深刻な歪みがあることを示唆している。そもそも、発進と停止は運転する際に必ず行う動作である。
なぜこのような事態になったのかという事後調査では、トヨタが猛烈な勢いで事業を拡大し、部品のコストや人件費(多くが非正規労働者だ)の削減をマニアックなまでに推進してきたせいで品質管理がおざなりになったというプロセスが明らかになる可能性もある。
しかしそれ以上に許し難いのはトヨタの対応のまずさである。同社のマーケティング部門はこの問題を何年もうやむやにし、自社の車に欠陥がある可能性を認めてこなかった(いくつかの指摘によれば、アクセルの問題は2002年という早い時期に明らかになっていた)。
トヨタは問題を早期に認めるどころか、フロアマットや部品メーカー、果てはドライバーにまで責任を擦りつけようとした。日本の「モノづくり」の聖地である名古屋にいる同社のエンジニアたちは、自分たちの車が完璧でない場合もあるということを理解できていなかったのだ。
トヨタのPR上の失態は、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)年次総会でクライマックスに近いレベルに達した。豊田社長はテレビ局の取材を避けて会場から抜け出したのだが、乗り込んだ車はアウディだったのである。そして前述したように、先週2月5日の悲惨な記者会見があった。
PRで反転攻勢に出るトヨタ
トヨタは今、これ以上はもう許されないという境界線を引いた。豊田社長は、吟味された謝罪文(英語と日本語)で反撃に転じた。ワシントン・ポスト紙への寄稿では、豊田社長は品質管理問題で自ら陣頭指揮を執ると言明。また米国で過去20年間に販売されたトヨタの自動車の80%はまだ道路を走っているとも指摘した。確かに、トヨタはもう復活できないと見る向きはほとんどいない。
ただ、この寄稿には気になるところがある。
トヨタには、工場の従業員なら誰でも生産ラインを止められる「あんどん」という品質管理の仕組みがある。豊田氏は2週間前にこの「あんどん」の紐を引っ張って8車種の生産を止めたと自慢げに書いているのだが、この紐を――数年前にとは言わないまでも――数カ月前に引っ張るべきだったとは書いていないのだ。
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世界10大リスクの第5位に鳩山政権、1位は米中関係の悪化」、2位がイランの暴走
国際政治上の危険要因を分析している米コンサルティング会社ユーラシア・グループは、今年の世界10大リスクの5位に「鳩山政権」を挙げた。「気候変動」(6位)や「インドとパキスタンの緊張」(8位)などより危険な要因だとした。
鳩山政権の「官界と産業界の影響力を小さくしようとする政策」が、世界的に見ると高い危険要因になっていると指摘。「参院選で勝つと、今よりマニフェストに忠実な政策を実行しようとして混乱するだろう」と予測した。
「党の実権は小沢一郎氏が握っている。鳩山首相は選挙指揮が巧みなわけでも、政策決定に強いわけでもない。現政権は年末までもたない可能性が相当あり、ひょっとすると参院選までもたないかもしれない」とも分析した。
リスクの1位は「米中関係の悪化」、2位が「イランの暴走」だった。
2010年の世界10大投資リスクを米国のコンサルタント会社が発表した。トップは、アフガニスタンのテロでも、北朝鮮の核実験でもない。米中関係だ。今年最大のリスクは、米国と中国の貿易摩擦だという。
その気配はある。米国のノーベル賞学者、クルーグマン氏が中国の人民元安を激しく批判する文章をニューヨーク・タイムズに発表した。安い中国製品が米国の失業者を生んでいる。世界不況の中で自国だけが輸出にはげみ貿易黒字をためこむのは重商主義であり、略奪に等しいとまで言った。
中国が米国債を投げ売りするのを恐れるむきがあるが、ドル安になるのだから感謝状を出してもいいと挑発的だ。米国では11月に中間選挙がある。オバマ政権が人気浮揚をねらって、人民元の切り上げを中国に迫る可能性は高い。
中国も黙っていない。中国の景気回復が世界の景気回復の牽引(けんいん)車になっていると強気だ。温家宝首相は、切り上げ圧力には屈しないと宣言している。中国製品には日本製部品も使われているから、米中貿易摩擦はひとごとといってはいられない。
こうなると、チベット問題や台湾問題など政治問題もこじれてくるのがこれまでの米中関係だった。もっとも日本も安泰ではない。なんと10大リスクの5番目が日本の政局不安だ。自民党による一党支配の時代が終わったが、民主党政権は官僚が機能しない弱体政権で、経済も混迷するだろうという見立てだ。
国会が始まれば、またぞろ政治とカネの問題でごたごたしそうだ。スキャンダル追及は検察にまかせて、国会は年金や医療や財政など日本再生の議論にしばらく専念してみたらどうだろうか。
鳩山政権は世界のリスクになろうとしている。地政学的なリスク分析を専門とするコンサルティング会社、ユーラシアグループ(本部・米ニューヨーク)が4日公表した「今年の10大リスク」(Top risks of 2010)で、5番目に「日本」が入った。鳩山政権の脱官僚政治や米軍普天間飛行場移設をめぐる迷走が影響したとみられる。
ユーラシアグループは、鳩山政権の本当の実力者は小沢一郎幹事長(67)だと指摘。鳩山由紀夫首相(62)について「決断力がなく、(政治資金をめぐる)スキャンダルもあることから、年内に首相の座を明け渡す可能性が高い」と退陣を予測する。
今夏の参院選前に菅直人副総理・国家戦略担当相(63)や原口一博総務相(50)らが後継首相になるとの日本国内の観測を紹介した上で「新首相に力があったとしても、小泉政権後の脆弱(ぜいじゃく)な政権の一つになりそうだ」としている。
民主党の政権運営については「厳しい財政状況の中、官僚の手助けなしに政策を具体化するのは難しい」と指摘。バブル経済が崩壊した1990年代初めからの不況を指す「失われた10年」が新たに複製されるという専門家の危惧(きぐ)を紹介している。
■1位は「米中関係」
「10大リスク」の1番目は「米中関係」。両国が地球規模の主要な問題に向け指導力を発揮する「G2」構想については「中国が国際的な責任を引き受けようとしないために実現しない」と否定的だ。両国関係は昨年11月のバラク・オバマ米大統領(48)訪中時がピークで、今年は悪化の一途をたどるとしている。
米政府内での日本への懸念は、中国への懸念と同等か、それ以上に強い。昨年10月、米紙ワシントン・ポストは「今や、最も厄介な国は中国でなく日本だ」という米国務省高官の発言を伝えた。
米国をいらだたせている普天間問題について、鳩山首相は5日、記者団に「与党3党で熱心に議論していただくので、それを見守りたい」と能天気に語った。
■地政学的リスク(geopolitical risk) ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、その地域の経済や世界経済全体の先行きを不透明にするリスク。2大要因は「地域紛争」と「テロの脅威」とされ、2002年に米連邦準備制度理事会(FRB)が声明文で使用して以来、市場でも広く認識されるようになっている。
デフレ時代の勝ち組ファーストリテイリングの業績が絶好調ユニクロを全国に展開
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を全国に展開し、デフレ時代の勝ち組の代表格となったファーストリテイリングの業績が絶好調だ。8日発表した2009年9〜11月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年の同じ時期の1.5倍に増えた。10年8月期の業績予想も、過去最高を見込んでいた昨年10月時点からさらに引き上げた。
9〜11月期は売上高2634億円、営業利益610億円、純利益348億円で、いずれも前年同期より4〜6割近く増えた。貢献したのは、軽さが売りの合成皮革「ネオレザー」のブルゾンといった秋物新商品や、保温機能が高く、上着の下に外出着としても着られるよう色やデザインを増やした「ヒートテック」などの商品。価格の安さも加わり、まとめ買いする人の姿が多くみられた。
10年8月期の業績予想は、売上高8200億円、営業利益1305億円、純利益675億円で、いずれも前期より2〜3割以上増える。柳井正会長兼社長は、20年に連結売上高を5兆円にする目標に向け、「毎年20%の成長をたたきだす必要がある」と話しており、実現に向けて一歩進み出したことになる
★株式会社ファーストリテイリングとは株式会社ユニクロなどの衣料品会社を傘下にもつ持株会社である。
経営者である柳井正代表取締役会長兼社長のもと、GAPに代表されるような世界的な衣料品企業を目指して積極的に海外展開及びM&Aを行いグループを拡大している。東京証券取引所第一部上場。
概要
カジュアル衣料品の「ユニクロ」を中心として、衣料・靴等の小売店舗を展開する企業群を傘下に有する。
もともと「ユニクロ」はファーストリテイリングが自社で直接手がけていたブランドだったが、2005年11月に衣料品の製造・小売に関する営業を会社分割(吸収分割)により完全子会社の株式会社ユニクロ(旧商号:株式会社サンロード)に承継している。当初は持株会社移行時に商号を「株式会社FRホールディングス」へ変更することを発表したが、後に撤回した。
傘下ブランド
完全子会社によるブランド
UNIQLO(株式会社ユニクロ) - カジュアル衣料ブランド
株式会社GOVリテイリング - 旧株式会社ワンゾーン、株式会社靴のマルトミ。民事再生手続中であった同社を2005年3月に完全子会社化。2008年9月に、株式会社ジーユーと株式会社ビューカンパニーの事業譲渡を受けて経営統合。本社は東京都千代田区九段北。
g.u.(ジーユー) - ファミリー向けカジュアル衣料ブランド
FOOTPARK(フットパーク) - 靴全般の小売店
AIR・KICK(エアキック) - 若者向けの靴小売店
CALZADOR(カルサドール) - 婦人靴小売店
vju:(ビュー) - 靴小売専門店
CABIN(株式会社キャビン) - 婦人服専門店チェーン(2007年12月完全子会社化)
セオリー(株式会社リンク・セオリー・ホールディングス) - アメリカ発の総合ファッションブランド(2009年7月完全子会社化)
ZAZIE(ザジ)
Real Riche(リアルリッシュ)
e.a.p.(イーエーピー)
enracine(アンラシーネ)
we-nge
一部出資子会社によるブランド
FRフランス(中間持株会社)
プリンセスタム・タム(プティ・ヴィクル社) - ヨーロッパのランジェリーブランド、95.0%出資(連結子会社)
コントワー・デ・コトニエ(ネルソン・フィナンス社) - フランス発のファッションブランド
コントワー・デ・コトニエ ジャパン株式会社(日本法人)
かつて存在した傘下ブランド
ナショナルスタンダード(株式会社ナショナルスタンダード) - 84.6%出資子会社、2006年6月精算
アスペジ(アスペジ・ジャパン株式会社) - イタリアのシャツブランド、60%出資、旧シールド社。2008年7月に保有全株式をアルベルト・アスペジ(アスペジのイタリア本部)に売却
沿革 [編集]
1949年3月 - 柳井等が宇部市に個人営業として、メンズショップ小郡商事を創業。
1963年5月 - 法人化し、小郡商事株式会社を設立。
1972年8月 - 柳井正が入社。
1984年
6月2日 - 広島市中区に「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」(略称・ユニクロ)1号店(袋町店)を開店。
9月 - 柳井正が代表取締役社長に就任。
1985年6月 - 下関市に郊外型1号店(山の田店)を開店。
1986年10月 - 山口市にフランチャイズ型1号店(山口店)を開店。
1989年2月 - 自社企画商品の開発体制の充実を目的として、吹田市に大阪事務所を開設。
1991年9月 - 株式会社ファーストリテイリングに社名変更。
1994年
3月 - 分散していた本部機能の効率化のため、宇部市に本社新社屋を建設し移転。
7月 - 広島証券取引所上場。
1996年11月 - 自社企画商品の開発体制の充実を目的として、渋谷区に東京事務所を開設。
1997年
4月 - 東京証券取引所二部上場。
10月 - スポーツカジュアル店「スポクロ」、ファミリーカジュアル店「ファミクロ」の新業態店舗を出店。
1998年
2月 - 事業拡大に対応する本部機能充実のため、山口市に本社新社屋を建設し移転。大阪事務所と東京事務所を統合し、新たに渋谷区に東京事務所を開設。
11月 - 首都圏初となる都心型店舗(原宿店)を開店。
1999年2月 - 柳井等が逝去。
2000年4月 - マーチャンダイジング及びマーケティング機能の強化を図るため東京事務所を閉鎖し、山口にあるその機能と統合し渋谷区に東京本部を開設。
2001年9月 - ユニクロ海外進出(イギリス・ロンドンに4店舗)。
2002年
2月 - 東京証券取引所第一部指定。
9月 - 子会社・株式会社エフアール・フーズ(青果通信販売SKIP)設立。
11月 - 玉塚元一が代表取締役社長に、柳井正が代表取締役会長に就任。
2003年6月 - 東京本部を大田区に移転。
2004年
1月 - 株式会社リンク・ホールディングス(現・株式会社リンク・セオリー・ホールディングス)に資本参加。
2月 - 株式会社ナショナルスタンダードを子会社化。
3月 - 子会社・株式会社エフアール・フーズ(青果通信販売SKIP)解散。
2005年
3月 - 会社再建中だった、株式会社ワンゾーン(旧株式会社靴のマルトミ)を100%子会社化。
9月
玉塚元一社長が退任、柳井正会長が社長兼任。
シールド社(現・アスペジ・ジャパン株式会社)を子会社化。
10月 - ミーナ天神オープン、商業施設開発・運営事業に進出。
11月 - 会社分割により持株会社化。
2006年
3月 - 東京本部を千代田区に移転。株式会社ナショナルスタンダードを解散。
4月 - 株式会社キャビンの株式25.7%を取得して、業務提携。
8月24日 - 株式公開買い付けにより株式会社キャビンを連結子会社化(51.66%)。
10月13日 - ユニクロよりも低価格志向の新ブランド「ジーユー」1号店を、ダイエー南行徳店内に開店。
10月25日 - 株式会社ビューカンパニー(婦人靴業者)と資本業務提携。2006年11月13日に33.4%の株式を取得。
2007年
7〜8月 - Jones Apparel Group, Inc.が売却予定であったBarneys New York, Inc.(バーニーズ・ニューヨーク社)の全株式の買収に名乗りを上げる(競合相手が買収価格を引き上げたため、断念)。
11月9日 - ミーナ津田沼オープン。
7月23日 - 株式会社キャビンの完全子会社化を目指し、同社に2度目の株式公開買い付けを実施、8月21日成立(96.94%)。
12月29日 - 株式会社キャビンの残る少数株式をすべて取得して、完全子会社化。
2008年
2月28日 - 株式公開買い付けにより株式会社ビューカンパニーを連結子会社化(98.96%)。同年7月には残る少数株式もすべて取得して、完全子会社化。
4月25日 - ミーナ京都オープン。
5月23日 - ミーナ町田オープン。
7月8日 - アスペジ・ジャパン株式会社の全保有株式をAlberto Aspesi & C S.p.A.(アルベルト・アスペジ本部)に売却、同社は子会社から離脱。
9月1日 - 株式会社ワンゾーンを株式会社GOVリテイリングに社名変更。株式会社ジーユーと株式会社ビューカンパニーの事業をGOVリテイリングに統合。
2009年1月29日 - 株式会社リンク・セオリー・ホールディングスの完全子会社化を目指して、同社に株式公開買い付けを実施。3月13日成立(74.58%)。
多角化経営
多角化による経営の安定化を狙い、事業展開を模索している。
青果事業
2002年9月に子会社エフアール・フーズを設立、「SKIP」のブランド名で永田農法による農作物、健康食品など非衣料品分野の販売に進出した。しかし高めの価格設定が消費者から受け入れられず黒字化の目処が立たなくなり事業の継続を断念、2004年6月に同社を解散した。社内では3年で黒字を目処に決めており、3年で約28億円の赤字が出たとされる。多角経営の一テストとみられ、今後の他産業進出への参考と位置づけられている。
衣料
1997年から1998年にかけてスポーツカジュアル衣料品店の「スポクロ(スポーツ・クロージング・ウエアハウス)」、ファミリーカジュアル衣料品店の「ファミクロ(ファミリー・クロージング・ウエアハウス)」を展開していた。ユニクロ事業の拡張の一環として位置づけられていたが専門店としては業績が思わしくなく、衣料ブランドをユニクロに一本化するために撤退している。
一方で、2006年10月より新衣料ブランドとして「g.u.(ジーユー)」ブランドを立ち上げている。ユニクロに比べて品質よりも価格を重視したブランドと位置づけられており首都圏・近畿圏からスタートし、徐々に全国展開を行っているものの店舗展開ペースはユニクロのそれよりもかなり緩やかである。
商業施設「ミーナ」開発・運営事業
従来は商業施設内にユニクロなどのグループ企業のブランドを出店する事業のみであったが、2005年からは商業施設自体の開発・運営に乗り出している。建物全体を一括して借り上げテナントを誘致して、「ミーナ」という名称で商号施設を運営している。現在4案件が運営中である。
交通事故死、57年ぶり5000人下回る交通事故死者数は前年より241人少ない4914人
交通事故死、57年ぶり5000人下回る
昨年の全国の交通事故死者数は前年より241人少ない4914人で、1952年以来、57年ぶりに5000人を下回ったことが2日、警察庁のまとめでわかった。
9年連続の減少で、マイカーが一般に普及する前の戦後復興期の水準に戻った。
全体の交通事故件数も減っている。昨年は前年比2万9987件減の73万6160件。負傷者も同3万6630人減90万8874人と、いずれも5年連続で減少した。
死者数が最も多かった地域は、愛知が227人で5年連続ワースト1。これに北海道(218人)、埼玉(207人)、東京、大阪(いずれも205人)が続いた。
30都道府県で前年より減少したが、長崎、宮崎、大阪など17府県は増加した。一方、65歳以上の高齢者の死者は2452人で、全体に占める割合は過去最高の49・9%に達した。
昨年11月末の統計では、事故当時、車に乗車中だった死者は1442人で、前年同期より110人減っていた。このため同庁は「運転席や助手席だけでなく、後部座席のシートベルト着用率が向上したことで死者数が減少した」と分析している。
死者数がピークだったのは、「第1次交通戦争」と呼ばれた70年の1万6765人。高度経済成長に伴う業務車両やマイカーの急速な普及が背景にあった。
80年代後半からは若者の無謀運転などによって1万人を超える状態が続いたが、96年に1万人を下回って以降は減少傾向が続いている。
芸能界2009年10大ニュース
★2009年10大芸能ニュース
酒井法子(38)と高相祐一(41)の“シャブ夫妻”、押尾学(31)、小向美奈子(38)、ギタリストの鈴木茂(58)、中村雅俊の長男の中村俊太(32)、元男闘呼組の成田昭次(41)…。
とりわけ酒井の逃走劇と捕り物帳はメディアを独占し、視聴者や読者を釘付けにした。「視聴率は軒並みアップするし、週刊誌の売り上げも“のりピー特需”でしたね」(週刊誌記者)
執行猶予中の小向は早々に仕事復帰し、ストリップ嬢に転身。アイドルの生身を見ようと、浅草ロック座には連日、多くの観客が詰め掛けた。
☆
舞台ではないところで裸になってしまったばかりに大騒動になったのが、SMAP・草なぎ剛(35)の逮捕騒動。
チン事件に、当時の鳩山邦夫総務相は「最低の人間」と怒りをあらわにしたが、批判が殺到し撤回。CM復帰、テレビ復帰などが次々かない、「逮捕によって失ったものがほとんどなく、原状回復できた稀なケース」(ワイドショーデスク)となった。
☆
原状回復半ば、というより瀬戸際にいるのが音楽プロデューサーの小室哲哉(51)。音楽著作権の譲渡を持ちかけ、5億円を詐取。かつて年収100億円といわれた雲の上の成功者の伝説が崩壊した。
「苦言を呈する右腕がいなかったことが、小室の最大の悲劇だった。先日、テレビ番組で転落ぶりをさらけ出していたが、どん底から這い上がるには、再びヒット曲を出すしかない」(プロダクション経営者)
☆
年明け早々に高城剛氏(45)と年の差婚を遂げた女優の沢尻エリカ(23)は、イメージが激変した1年となった。「結婚後、渡欧。皆既日食を見るために帰国したと思ったら、事務所に解雇されてしまった。復帰作に決まりかけていた『宇宙戦艦ヤマト』のヒロイン役も棒に振った。彼女を『パッチギ!』で世に送り出した井筒監督には、『元気です』と連絡してきたらしいが、いつになったら次の演技が見られるのやら」(女性誌デスク)
☆
“電撃婚”も多い年だった。お笑い界きっての独身貴族だったダウンタウンの松本人志(46)が、元モデルとデキ婚。宮沢りえ(36)も、妊娠6カ月の段階で結婚を発表した。
劇団ひとり(32)、くわばたりえ(33)、サンドウィッチマン、ナイツ、堀内健(40)、安田大サーカスの団長ら、お笑い界は吉報に沸いた。中でも元モー娘。の藤本美貴(24)とゴールインした品川庄司の庄司智春(33)は、はしゃぎまくった。
「何かにつけ『ミキティ〜!』と妻の愛称を叫び、ミキティで一生食っていく、という気合が伝わりました」(演芸関係者)なんて皮肉も。
☆
伊東美咲(32)に常盤貴子(37)ら大物女優の結婚や熱愛が相次いだ。芸能界の“常識”を超越したのが、水嶋ヒロ(25)と絢香(22)の電撃婚。
「同じ事務所に所属しながら、会社には事後報告。向こう見ずの若さを感じた」(芸能リポーター)
芸能マスコミの関心はすでに“来年結婚組”へ。イブに結納を交わした市川海老蔵(31)と小林麻央(27)、それに東山紀之(43)と木村佳乃(33)。「いつどこで挙式するのか。一斉に発表してくれればいいんですけど、どこかに抜かれると上司に怒られますしね」とスポーツ紙記者は、やれやれといった表情だ。
まったくその心配がなく、オープンな姿勢を貫くのが、石田純一(55)とプロゴルファーの東尾理子(34)。
「石田は、まさに恋の錬金術師ですよ。あれこれイベントには登場するし、婚約場面さえもテレビ番組に売り渡した。放送するのは結婚式とばかり思っていましたけど、石田の発想はその上をいく」とバラエティー番組ディレクターも舌を巻いていた。
☆
訃報が多い年でもあった。マイケル・ジャクソンをはじめ、ロック界では忌野清志郎に、川村カオリ。「もうやり残すことはない」と自ら命を絶った加藤和彦。登山中に事故死した「クレヨンしんちゃん」の作者の臼井儀人、大御所・森繁久弥、山城新伍に大原麗子、南田洋子、三木たかし、青山孝史、元宝塚の大浦みずき、介護に疲れた清水由貴子、落語家では三遊亭円楽、柳亭痴楽…。「円楽死去のニュースに隠れた形となったが、談志の弟子で強烈な印象を残した立川文都が49歳の若さで亡くなったことも記憶にとどめたい」と演芸ライター。
3月の藤原紀香(38)と陣内智則(35)の離婚が昨年の出来事ように遠く感じるほど、芸能ニュースが多かった。(業界ウオッチャー X)
【夕刊フジが選ぶ2009年芸能界10大ニュース】
(1)押尾学、酒井法子ら逮捕相次ぐ深刻な薬物禍
・押尾学逮捕…“全裸”死亡女性は銀座ホステス!?
・マンモスかなピー!?酒井法子の夫が覚醒剤所持逮捕
・次はアノ人…芸能界薬物汚染「全リスト」一挙大公開
(2)石田純一&東尾理子、海老蔵&小林麻央ら大物熱愛続々
・ムスコより下…石田純一、東尾理子22差婚へ真剣交際
・小林麻央、堂々交際宣言! 市川海老蔵と婚約へ
(3)マイケル・ジャクソン、忌野清志郎ら訃報相次ぐ
・マイケル・ジャクソン急死、薬物過剰摂取の情報も
・忌野清志郎さん“ロック葬”…9日、東京・青山葬儀所
(4)SMAP・草なぎ剛の泥酔全裸騒動
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フランスの憲法裁判所炭素税は平等原則に反しているとして、違憲との判断を下した。サルコジこけた
フランスの憲法裁判所は29日、来年1月1日から導入が予定されていた炭素税について、免税対象が多すぎて税の平等原則に反しているとして、違憲との判断を下した。
炭素税の導入によって、家庭や企業で消費される石油、ガス、石炭を対象に、排出される二酸化炭素(CO2)1トン当たり17ユーロ(約2200円)が課せられるが、憲法裁は、排出量が大きい事業所など1000か所以上が課税を免除されるなど、産業部門の燃料消費以外による排出の93%が免税対象になっていると試算している。
憲法裁の判断は、温室効果ガス削減の目玉政策として炭素税導入を掲げてきたニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領にとって大きな痛手となる。それに加え、サルコジ政権は、2010年度予算において41億ユーロ(約5400億円)の穴埋めも緊急に必要となる。(c)AFP
炭素税なんかが導入されれば最後にはオナラも吐く息さえもするなということになる。そういうことはイケンよね。
止めてくれ!
炭素税(たんそぜい, carbon tax)とは、化石燃料の炭素含有量に応じて、使用者に課す税金であり、それを用いた経済手法をさすこともある。
概要
炭素税は、化石燃料の価格を、税により引き上げることにより、その需要を抑え、さらには、その税収を環境対策に利用することにより、地球温暖化の原因である二酸化炭素 (CO2) 排出量を抑えることを目的としている。
対象となる化石燃料は、石炭・石油・天然ガス及びそれから由来するガソリン(揮発油)、軽油、灯油及び重油などの燃料である。
二酸化炭素 (CO2) 排出削減に努力した企業や個人が得をし、努力を怠った企業や個人はそれなりの負担をすることになるという、低炭素社会実現への努力が報われるという仕組みでもある。
経済原理
炭素税の発想は新古典派経済学の経済原理に基づいている。ピグー税式の炭素税では削減の経済効率性が実現される。これは限界被害額と同額の税金を課税するため限界均等化原理が満たされるためである。外部不経済(社会的費用)から1人あたりが負担する課税額が決まる。つまり、私的限界費用と社会的限界費用の差が課税されることで、この乖離分を市場で考慮される費用に含めることによって、後は市場の効率的資源配分のメカニズムに任せようという考え方に基づいて提案された経済的手法が炭素税の起源である。限界費用曲線を求めることが困難であるため、ボーモル=オーツ税式の炭素税が実際には導入されているが、この場合、設定した温室効果ガス削減目標を最小費用で達成することが可能となる。どちらの場合も、税収を温暖化対策に回さずに、課税効果だけで適正水準ないし目標水準まで削減が起こる。
課税効果
炭素税を課すことにより、次のような効果が期待できる。
二酸化炭素排出量の減少
省エネルギー技術開発の誘引
課税金額が大きいほど化石燃料需要の抑制につながり、削減量は大きくなる。また省エネルギー技術への投資や開発意欲も向上すると考えられる。
税収効果と税制中立をめぐる議論
税収効果派
炭素税を環境対策の目的税化する考え方である。
目的税化すれば、再生可能エネルギー利用施設の設置推進や省エネ機器の普及に補助金を出すことができる。そのため、化石燃料の単なる消費抑制以上の温室効果ガス効果が期待できる。また、環境対策としての原資が炭素税により確保されるため、他の税収からの環境対策費を抑えることもできる。ただし、政府が削減効果を期待する特定の施設や機器に対して偏向的になる危険性があるため、リバース・オークションといった補助金の配分方法工夫が必要となる。
日本においてエネルギー消費量の6%削減を目標とする場合、課税効果のみで目標を達成するのであれば、炭素1トンあたり45,000円の炭素税が必要となるが、税収を効率よく環境対策に投資すると、炭素1トンあたり3,400円ですむという試算もある[1]。
課税効果・税制中立派
課税行為そのもので削減が果たされるので、炭素税で得られた税収は、減税に充てて国民に返すという考え方である。
炭素税による増額分を、他の税金の減税とする。それにより、国の租税全体ではプラマイゼロで新たな国民負担は生じない(ゼロネットロス・税制中立)。
この場合でも、炭素税による化石燃料の抑制は推進され、市場原理により経済効率よく二酸化炭素削減が達成される(課税効果)。
炭素税の導入が進んでいる欧州では、まず炭素税一般財源とし、それを原資に減税するのが主流である[2]。ただし、欧州に多い高福祉国では、国民1人あたりの年間税負担額がすでに大きく、これ以上の増税が困難だという事情もある。
納税・価格転嫁
製造場又は保税地域から引取るときは、引取人から徴収される。上流課税であれば徴収費用は大きくない。価格転嫁によって、消費者は購入時に負担することになる。また、経済学のモデル上は最終的に末端単価に転嫁されると言われているが、上流課税しても転嫁は起こらず企業負担になるだけだとする声もある。そのため、フランス消費税のインボイス制度を参考とすべきという意見もある。
各国の取組
炭素税として環境税を導入している国は、欧州では2006年3月時点で、8か国(フィンランド・ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・オランダ・イギリス・ドイツ・イタリア)ある。ただし、フィンランド・スウェーデン以外の国は、炭素量に応じた課税とはなっていない(発熱量当たりや物量(リットル等)当たりでの課税となっている)。欧州以外では、アメリカ合衆国のボールダー市が2006年に導入している。またカナダのブリティッシュコロンビア州では2008年2月20日の年度予算の発表に伴い、炭素税の導入決定が表明された。
日本では、環境省が中心となり環境税が2004年、2005年と検討されたが導入までには至らなかった。なお、提案された案は、優遇措置や免税措置などにより、純粋に炭素量に応じた課税案とはなっていない。
環境省案
環境省は2005年10月の発表で、炭素の排出1トンに付き2400円の環境税(炭素税)を、2007年に導入することを提案している。具体案の詳細は同省のホームページに掲載されている。なお2004年に発表されたものも併記しておく。
2004年度、2005年度と政府内で導入の是非について検討が行われた。しかし、2004年度は産業界の強い反対や環境税の効果を明確に示すことができなかった等の理由で見送られ、2005年度は更に原油価格の高騰により、エネルギー価格を更に上昇させるような対策が忌避されたことや、小泉内閣によって「小さな政府」が標榜されていたことにより、増税に対する合意が得られにくいといった状況が加わり、導入が見送られた。
2004年環境省発表の環境税の具体案
2005年環境省発表の環境税の具体案
導入反対意見 [編集]
環境省が計画する炭素税である、「環境税」に対しては、産業界等から多くの反対意見が発表されている。
環境税の導入に断固反対する(日本商工会議所の反対意見)
「環境税」では地球は守れません(経団連の反対意見)
環境税に関する日本鉄鋼連盟の見解
環境税について(緊急アピール)日本物流団体連合会
経済産業省・事務次官等会議後記者会見の概要
ただし、経済界全体が炭素税に反対なのではなく、経済同友会など現行のエネルギー税を廃止し、環境税に一本化することを提言している団体もある。
効果の検証
2004年11月に環境省(の審議会)が具体案を提示[3]した直後から原油価格が高騰し、日本国内のガソリンの店頭小売価格は、約1年間で環境税で想定した上乗せ額(1リットルあたり1.5円)の10倍以上もの値上がりを見せている。しかし、大きな需要抑制が働いていたという報告はなく、炭素税を含む環境税等を導入しても、需要抑制という効果が期待できないといえるため、大きな反証となっている。ただし、炭素税、環境税の環境対策への還元による削減効果まで否定されているわけではない。
環境省の分析によれば、ガソリン価格の上昇効果は、中長期的に省エネルギー製品への買換えが劇的に促進されると予測している[]。一方、産業界の提言によれば、日本の産業界は打撃を受け、産業の空洞化が著しく進み不況に陥いると予測している。
炭素税の導入 神奈川県検討
県は7日、温暖化対策として二酸化炭素(CO2)排出抑制のため、炭素税の創設を検討すると発表した。
炭素税は、石油や石炭などの化石燃料に炭素の含有量の応じて税を課す。国では産業界の反発などが強く、実現していない。東京都が導入に向けて検討を始めている。
県は今後、課税対象や方法などを検討する。松沢成文知事は「難しい課題なので、検討に半年から1年は要するのでは」と話している。
関連項目
ピグー税
ボーモル・オーツ税
環境税
外部リンク
コラム 植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』
シャーミンのエコインタビュー第18回 石 弘光(いし ひろみつ)さん(一橋大学経済学部教授)
CGER ココが知りたい温暖化 「炭素税」は効果がある?
環境税(温暖化対策税制)について
環境税に関する経済産業省事務次官の発言(事務次官等会議後記者会見)
地球温暖化
経過 地球気候史 氷河期 / 最終氷期 / ヤンガードリアス • 完新世温暖期 • ネオグラシエーション / 中世温暖期 • 小氷期 // 過去の気温変化 …その他
問題の経過 地球寒冷化 • 世界気候会議 • スターン報告 • IPCC第4次評価報告書 • 近年の地球温暖化対策
原因 要因と
メカニズム 温室効果(温室効果ガス)• 太陽放射 • 太陽変動 • 日傘効果 • エアロゾル • アルベド • 炭素収支(吸収源 • 森林破壊) • 海洋循環 • 大気循環 • 大気変動 • ヒートアイランド • 軌道要素変動 • 地殻変動 …その他
考え方 放射強制力 • 気候感度 • 気候因子
気候モデル GCM
影響 大気圏 気温上昇 • 氷河融解 • 異常気象の増加・極端化 • 気候の変化
水圏 海面上昇 • 熱塩循環の停止 …その他
対策 緩和策 排出取引 • クリーン開発メカニズム • 共同実施 • 環境税 • 低炭素社会(オフセット • ニュートラル)• 再生可能エネルギーの利用 • 省エネルギー • 吸収源活動 • 二酸化炭素貯留 • 温暖化関連政策 • 温暖化防止活動 …その他
適応策
枠組み IPCC • 京都議定書 • ポスト京都 • 気候変動枠組条約 • APP • ECCP • IUGG …その他
議論 懐疑論 • 暴走温室効果 • スベンスマルク効果 • ホッケースティック論争 •クライメイトゲート事件
日米要人の「この一言」をもとに、激動の2009年を振り返える
日米要人マーケット関連発言「この一言」をもとに、激動の2009年を振り返える。
【1月】
早川英男日銀名古屋支店長(当時)
「輸出・生産は過去見たこともないような勢いで落ちている」
「ジェットコースターの下降の途中にいる」
(1月16日日銀支店長会議後の記者会見)
〜 世界経済の大幅な悪化から輸出が急減したため、製造業は減産を強化。1-3月期の鉱工業生産は前期比▲22.1%、前年同期比▲34.6%を記録。自動車産業が集積している東海地区の景況感は、一気に冷え込むことになった。
【2月】
バラク・オバマ米大統領
「今回の危機は、形成されるまでに、長い時間がかかった。(景気対策は)それを一夜にして転換しようとするのではない」「回復は週単位や月単位ではなく、年単位で計られることになるだろう(Recovery will likely be measured in years, not weeks or months.)」
(2月9日インディアナ州で演説)
〜 バブル崩壊による未曾有の経済落ち込みに対し、1月20日に就任したオバマ米大統領は、2月17日には7870億ドルの大型経済対策に署名した。しかし、構造不況からの脱出までには「年単位」の時間が必要になるであろうことを、大統領はこの時点で明言していた。
【3月】
与謝野馨財務・金融・経済財政相(当時)
「株価そのものへの対策は技術的に難しい」
「大変な資金も努力も必要だ」
「どのように物事を正当化できるかという根本の問題もある」
(3月10日経済財政諮問会議終了後の記者会見)
〜 3月は、日経平均株価が一時7000円割れ寸前になるなど株価が急落し、株価対策を行うべきかどうかが議論された。公的資金による株の買い支え(PKO)が政府・与党内で議論されていったほか、日銀が市場から現物株やETFを買い入れるべきだという声も一部にあった。しかし、実際に日銀が決定したのは、国際基準行に対する劣後ローン供与だった。
【4月】
白川方明日銀総裁
「日本経済は、1990年代の低成長期においても、何回か一時的な回復局面を経験しました。ただし、このことは、経済が遂に牽引力を取り戻したと人々に早合点させる働きをしたように思います。これは『偽りの夜明け(false dawn)』とでも言うべきものでしたが、人間の常として、物事が幾分改善すると楽観的な見方になりがちです」「厳しい経済危機においては、政策当局者は、経済の一時的な回復――先ほども申し述べたような偽りの夜明け(false dawn)と言うこともできます――を本当の回復と見誤ることがないように注意する必要もあります」
(4月23日ニューヨークで講演)
〜 白川総裁は、構造不況下では循環的な景気回復のシグナルを過大評価すべきではないという「日本の教訓」を、米国人向けに発信した。有名な「偽りの夜明け」発言である
【5月】
サンフランシスコ連銀ジャネット・イエレン総裁
「金利は低水準にあり、そうした状態がしばらく続くものと、私は予想している」「私の考えでは、労働市場にかなりの需給の緩み(スラック)がある限り、その見方は正しいだろう」
(5月7日シドニーで開かれた豪企業エコノミストの会合に衛星回線で参加して発言)
〜 イエレン総裁は、失業率が高止まりしている間は利上げに動くべきではないと強く示唆する、ハト派らしいコメントを発していた。米国の失業率は10月以降、10%台に乗せた。
【6月】
ティモシー・ガイトナー財務長官
「中国の(ドル建て)資産は極めて安全だ(Chinese assets are very safe.)」
(6月1日北京大学で行った講演後の質疑応答)
〜 1980年代に学生として中国語を学んだ北京大学を訪れたガイトナー長官は、米国債の購入を継続するよう中国に促す発言を行った。すると、聴衆である学生の笑い声が一段と大きくなったという。米国と中国の力関係が変わってきたことを象徴するエピソードである。もっとも中国の側も、外貨準備運用ですでに多額の米国債を抱えており、その値下がりリスクがあることから、外貨準備運用の多様化という面で、身動きが取りにくいわけだが。
【7月】
山口広秀日銀副総裁
「こうして整理してみると、これら3つの要因(1:在庫調整の早い進捗、2:各国が取った政策対応、3:極端な不安心理が薄れてきていること)は、それだけでは経済が自律的に回復し続けること、言い換えれば、民間の最終需要が持ち直してくることを保証するものではないということに気づきます」
(7月22日函館市金融経済懇談会で挨拶)
〜 在庫調整の進捗や景気対策の効果に支えられた上向きの景気指標の動きについて、山口副総裁は、その持続性に懐疑的な見方を前面に出した。
【8月】
藤岡文七内閣府審議官
「所得がボーナスを中心に落ち込んでいる」
「デフレ懸念が非常に大きくなっていると判断する向きが多くなっている」
(8月17日記者会見)
〜 企業は収益立て直しのためコスト削減を強化。2009年は夏・冬ともに、大企業のボーナスは前年同期比で10%を超える減少になった。未曾有のマグニチュードで所得が圧迫された家計は、生活必需品を含む支出の絞り込みを強化することになり、「食のデフレ」「衣のデフレ」といった社会現象が発生した。
【9月】
藤井裕久財務相
「他国のような通貨安政策には反対で、円もそう対応すると(ガイトナー米財務長官に)申し上げた」
「意図した為替政策は取らない。為替市場は自由経済の牙城で、安易に公が介入するのはどうかと思う」
(9月24日日米財務相会談終了後、記者団に)
〜 鳩山政権には円安誘導的な政策は取るつもりがないことを、藤井財務相はガイトナー米財務長官に説明し、理解を得た。しかし、新政権は円高容認色が濃いとみた市場は、対ドルで思惑的な円買いを強めることになっていった。
【10月】
菅直人副総理・国家戦略・経済財政相
「財政構造改革がいま進んでいる。そういう風に考えてもらえれば、財政規律が曖昧で金利が上昇しているとは思わない」
「どちらかといえば、世界経済全体の回復の方向をマーケットがこういう形で判断したのだろう」
(10月27日閣議後記者会見)
〜 10月中旬から1カ月ほど、日本の債券相場は「悪い金利上昇」局面になった。鳩山内閣による予算編成が規律を欠き、国債増発額が大きくなるという不安が広がったためである。国内に潤沢なマネーが存在することから、日本では「悪い金利上昇」が持続的なものにはなりにくい。しかし、そうした安心感のある国債消化状況は、決して永続的なものではない。
【11月】
シカゴ連銀チャールズ・エバンズ総裁
「(超低金利政策は)容易に2010年にずれ込むと思うし、率直に言って2010年の年央まで続いても驚かない。最初の利上げは2010年の後半かそれよりも後、おそらく2011年になるだろう」
(11月23日フィナンシャル・タイムズ紙掲載インタビュー)
〜 エバンズ総裁は失業率について、2010年春に10.5%でピークをつけた後、数カ月間高止まりするだろうと予想した。地区連銀総裁の間でも徐々に、構造不況の根深さについての認識が浸透しつつあるようである。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文に書かれている「より長い期間」という表現の超低金利政策の「時間軸」については、少なくともFOMC会合3回かおそらくそれ以上、少なくとも6カ月間を意味していると、同総裁はコメントしていた。
【12月】
亀井静香金融・郵政担当相
「深刻なデフレ状況に入った。デフレがデフレを呼んでいる」
(12月15日内外情勢調査会で講演)
〜 政府は11月20日、日本経済がデフレであると、公式に宣言した。日銀は12月1日の臨時金融政策決定会合でターム物金利の低め誘導を決定。18日の会合では「中長期的な物価安定の理解」を明確化して、デフレは許容しない姿勢であることを内外にアピールした。しかし、金融政策だけでできることは限られる。慢性的なデフレ構造を日本が脱却する道筋は、いつ開けてくるのだろうか。